ちび龍の修練場

文系総合職のふつーのビジネスパーソンが、食いっぱぐれないキャリア構築と、社会変革の両立を考えていく思考のラボ。

仮説:イデオロギーアレルギーのある人は多いのではないか(1)

(初回は敬体で文章を書いていたにも関わらず我ながら一貫性がないが、しっくりくるほうで書き進めようと思う。)

 

例えば「あなたは原発に賛成ですか?反対ですか?」という質問やディベートがあるとする。問いかけ自体はよくあるやつだ。しかし様々なリスクを考慮し、様々な利害関係者の対立を考慮し、コストの問題をクリアして現実社会で何か実装しようとすると、この極端な二択というわけにはいかないケースが多い。この問いも、冒頭では賛成か反対かのどちらかを答えるにしても、回答者が深く考えれば考えるほど、総論賛成各論反対、またはその逆のように、回答は白でも黒でもなくどんどんグレーになっていく。

 

冷戦時代の資本主義VS社会主義の対立構図にも、この「白か黒か?」という二元論的な発想があった。結果的に社会主義は上手くいかないということが歴史上証明されたので、白黒はっきりしたとも言えよう。しかし、社会主義亡き後の資本主義は少々暴走しすぎた感じもする。

 

一応断っておくが、私は資本主義を否定していないし、ましてや社会主義を迎合しているわけでは尚更ない。しかし、金融経済が実体経済の数十倍に膨れ上がり、世界の上位1%の富裕層が世界の富の40%を占めるようにまで格差が広がり、世界的な金融危機まで起こってしまったこの世界で、いいぞどんどんやれ資本主義とまでは言いづらい。

 

と、ここで「そもそも資本主義って何だっけ?」と思い始めている自分がいることに気づいた。みんな(←大体世の中一般の人という意味の範疇で)なんとなく資本主義という言葉を使っているような気がするのは私だけだろうか。それは計画経済の反対語だとなんとなく思っている節があり、今更そんな世界は実現困難だし求めたいとも思わない、ということでなんとなくぼんやりと、資本主義を正義と捉えているのではなかろうか。みんなあの頃のイデオロギー対立にアレルギーがあって、資本主義の不完全なところに言及しづらくなっている人が多いように思う。

 

話が長くなりそうなので、今日のところは「そもそも資本主義って何だっけ?」の部分だけで話を終わることにする。そういえばみんな何となくで資本主義というものを指さしていないだろうか。その元々の定義はマルクスあたりが言っているのかもしれないが、実態としてどのような本質を指しているか、のほうが重要だと思うので、自分なりに3点に集約してみた。素人が適当に言っているだけなので、定義警察の方には見逃して頂けると嬉しい。

 

1,資本(まとまった金額のお金)を実体経済に投じて、労働者に事業を回させて成長させることでさらなる資本を増やせる。また資本を金融経済に投じて、お金でお金を増やすことができる。

2、1の前提として経済世界に右肩上がりの成長シナリオを求める

3,2の成長の開拓地を増やすために、それまで経済的取引をされていなかったものも、市場での取引きの対象とされていく

そして忘れられがちだが4番目として、資本主義を運営していくための金融システムを司り、ルールメーカー、トラブルの際の審判たる国家の存在があるように思う。

 

本当にこれだけか?というほど思考を精査できていないのですが、思いついたらまたそのときに再整理することにして、今日のところはおやすみなさい。